NICE SKILL

上司の機嫌を気にしすぎて疲れる。機嫌から仕事を推測しない

上司の声がいつもより低い。

返事が短い。

なんとなく機嫌が悪そうに見える。

そんなとき、

「自分、何かしたかな」

と考えてしまうことがあります。

仕事の内容より先に、相手の表情や声を確認する。

質問したいことがあるのに、今日はやめておこうと思う。

報告する内容まで、相手の機嫌に合わせて変えたくなる。

それが続くと、かなり疲れます。

でも、人の機嫌に気づくこと自体を、無理にやめなくていいと思います。

見えるものは見えます。

声の違いに気づくこともあります。

ただ、そこで一つだけ分けたいことがあります。

機嫌は情報でも、自分の担当業務ではありません。

相手の様子には気づく。

でも、そこから自分の仕事まで推測しない。

機嫌から仕事を推測しない。指示と事実から、自分の一手を決める。

私はそのくらいでいいと思っています。

機嫌は見えてもいい。でも、持たなくていい

人と一緒に働いていれば、相手の様子を見ることはあります。

今日は忙しそうだな。

少し余裕がなさそうだな。

今は長い話をしない方がよさそうだな。

そういう判断は、仕事の中でも普通にあります。

だから、相手の機嫌を一切気にするな、とは思いません。

タイミングを少し考えることも、相手への配慮です。

ただ、

「機嫌が悪そうだ」

から、

「自分が何か悪いことをした」

へ進むのは別の話です。

さらに、

「何とか機嫌を直さなければ」

まで行くと、相手の感情が自分の仕事になっていきます。

そこまでは持たなくていい。

気づくことと、引き受けることは別です。

具体的に言われたことと、自分が想像したことを分ける

上司の機嫌が気になったときは、まず事実だけを見ます。

何か具体的に注意されたか。

仕事の修正を指示されたか。

期限を言われたか。

数字や顧客対応に問題があったか。

自分に確認すべきことがあるか。

もし具体的なことがあるなら、それには対応します。

ミスがあれば直す。

報告が必要なら報告する。

確認が必要なら確認する。

それは自分が打てる一手です。

でも、具体的には何も言われていないのに、

「たぶん怒っている」

「きっと自分のせいだ」

「評価が下がったかもしれない」

と考え始めると、事実と想像が混ざります。

表情は見えます。

声も聞こえます。

でも、相手の頭の中までは見えません。

だから私は、

言われたことには対応する。言われていないことまで、自分で仕事にしない。

くらいに分けます。

必要な報連相まで止めない

上司の機嫌が悪そうだと、話しかけるのをためらうことがあります。

それ自体は自然だと思います。

急ぎでなければ、少し時間を置いてもいい。

質問をまとめてから聞くのもいい。

相手が忙しそうなら、短く要点だけ伝えるのもいい。

でも、必要な報告まで「機嫌がよくなるまで待つ」ことには注意した方がいいと思います。

期限がある。

顧客に影響する。

判断をもらわないと次へ進めない。

問題が起きている。

そういうときは、相手の機嫌とは別に、自分が打つべき一手があります。

「少しよろしいですか。○○について、今日中に判断が必要です」

「急ぎの報告だけ先にお伝えします」

そんなふうに、必要なことだけ伝えることもできます。

機嫌を無視する必要はありません。

でも、機嫌のいい瞬間が来るまで、自分の仕事まで止めなくていい。

ミスがあるなら直す。ないなら作らない

上司が不機嫌そうだと、自分の仕事を何度も見直したくなることがあります。

何か抜けていたかな。

この言い方が悪かったかな。

あれを先にやるべきだったかな。

確認すること自体は悪くありません。

でも、問題が見つからないのに、相手の表情だけを根拠に「きっと何かある」と探し続けると、終わりがなくなります。

自分にミスがあったなら直します。

足りない説明があったなら補います。

具体的な指摘があれば受け取ります。

でも、問題が確認できないなら、架空の問題まで作らなくていい。

直すべき事実があるなら直す。ないなら、機嫌だけを根拠に自分を修正し続けない。

上司からどう評価されるかは、仕事をするうえで無関係ではありません。

評価される立場なら、当然気になります。

ただ、その評価まで完全に自分で操作することはできません。

自分にできるのは、必要な仕事をして、必要な説明をして、必要な修正をするところまでです。

「機嫌」の話だけでは済まないときもある

ここは分けておきたいです。

上司が少し無口だった。

忙しくて返事が短かった。

疲れているように見えた。

そういう「機嫌」の話と、

暴言を繰り返す。

侮辱する。

必要な連絡を意図的に無視し続ける。

威圧して、仕事に必要な相談までできない状態を作る。

明らかに無理な要求を繰り返す。

といったことは、同じに扱わない方がいいと思います。

「相手の機嫌だから、自分が気にしなければいい」で済ませなくていい場面があります。

そういうときは、何があったかを記録する。

信頼できる人や社内の相談先へ話す。

必要なら公的な相談窓口を使う。

一人で相手の機嫌を直そうとする問題ではありません。

不機嫌だからといって、すべてがハラスメントになるわけでもありません。

逆に、問題のある言動を全部「機嫌」として飲み込む必要もありません。

そこも、分けます。

握らない強さ

NICE SKILLでは、自分がやるべき一手は打つけれど、その先まで全部を支配しようとしないことを、握らない強さと呼んでいます。

上司の機嫌が気になるときも同じです。

必要な報告をする。

確認する。

ミスがあれば直す。

伝えるべきことは伝える。

危険なことがあれば、記録したり相談したりする。

そこは自分の一手です。

でも、

上司が今日どんな気分なのか。

こちらの報告をどう受け取るのか。

どんな表情をするのか。

そこまで全部、自分の仕事にはできません。

相手の機嫌まで、自分の仕事にしない。

冷たくなる必要はありません。

気づいてもいい。

配慮してもいい。

ただ、自分の責任ではないところまで握り続けない。

その方が、本来の仕事へ戻りやすくなります。

今日のちょっと

次に上司の機嫌が気になったら、すぐ自分を修正する前に、二つだけ確認してみてください。

「何か具体的に言われた?」

「今、必要な報連相はある?」

具体的なことがあるなら、自分の一手を打つ。

ないなら、相手の機嫌は相手のところに置いておく。

まずは、それくらいで。